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仮説:善悪の相転移 の変更点


//善悪の相転移
【種別】考察

このページは独自研究です。創作された記述が多いので、全てを鵜呑みにしないようご注意ください。また、一部にネタバレもあります。

(予想の根拠)
ミステリーの用語に「叙述トリック」というものがある。これは、読者(と、時には一部の登場人物)を騙すことを目的に、事実の省略や誤認、時系列のシャッフル、「信頼できない語り手」による地の文や手記を使った嘘、という、さまざまな手法を駆使して構築されるトリックである。
仮に、このトリックがこの作品に用いられていた場合、「善」と「悪」が実は逆なのではないか?という説がある。それを元に、07話時点で過去・現在に起きている事象と今後の展開を予想してもた。
なお、このページは07話終了時点で推測・作成し、10話放送前まで推敲しました。
※10話時点ですでにある程度誤った想定であることが確定しました。
※11話〜12話で完全に誤った想定であることが確定しました。
仮に、このトリックがこの作品に用いられていた場合、「善」と「悪」が実は逆なのではないか?という説がある。それを元に、07話時点で過去・現在に起きている事象と今後の展開を予想してみた。
なお、このページは07話終了時点で推測・作成し、10話放送前まで推敲した。
※10話時点ですでにある程度誤った想定であることが確定。
※11話〜12話で完全に誤った想定であることが確定。

(予想:前提条件)
-この町、浮島地区では「古きもの」は昔から人間と共存共栄してきた。彼らは元々は人間を襲わない、どちらかといえば「土地神」「守り神」的な存在であった。昔は人間の誰もが「古きもの」を知っていたが、今は「古きもの」自体の数も減り、その存在を知っている人の数も少なくなってきている。
-「古きもの」は(彼らの年齢観で)成人するまでは、1体につき、人間体(写し身)を1つ持っており、それを使って人間社会に溶け込んで生活している。町との取り決めで戸籍もある。(小夜も「古きもの」の一人だが、人間体のままでも充分強いという突然変異種である。)
-「古きもの」は(彼らの年齢観で)成人すると、成人の儀式として自分の写し身(人間体)を自分で食らう(朱食免)。写し身を食うことで自分の本来の力を100%発揮できるようになる。ただし、一般人がこの儀式を見ると問題なので、人のいないところでやる必要がある。(04話の「話が違う」発言)
-写し身を食らってしまうと、以後は人の姿を保てなくなるので、化物の姿のまま人知れず山中で過ごすことになる(地蔵や蛇花など)。
-「写し身より先に本体が死ぬ」と、しばらくして写し身も死ぬ。「本体より先に写し身が死んだ」場合は特に何も問題は起きない。
-写し身は自分が「古きもの」であることを元から知っている場合、食われる直前に理解して受け入れる場合、の2通りある。
-人間体の「古きもの」は、「約定」に基づき「人間を襲わない」ことを条件に人の中にまぎれて生活している。たまに「約定」を違えて人間を食ってしまう者もいたが、人間と古きものの共同戦線によってそれら異端は排除されてきた。
-小夜自身も「古きもの」だったが、「人間」として子供のころの時真と親しく育った時期がある。時真は当時小夜よりだいぶ幼かったが、小夜に淡い恋心を抱いていた。小夜も時真を弟のようにかわいがっていた。
-時真は「古きもの」が絡む何かの事件に巻き込まれ、そのときに小夜に命を助けられ、彼女に恩義を感じている。そのときに時真は瀕死の重傷を負った。時真は小夜に「人間を守って」と願って気を失った。小夜は時真が死んだと誤解するが、実は生きており、彼は彼を小夜から遠ざけたい者の手によって町の外の病院へ入院した。
-だんだんと、町の有力者の中に「山を売りたい者」「家族を奪われたりして古きものに個人的に遺恨を持つもの」が増えて来て一大勢力になる。彼らは地元の政治家を通じて政府機関に働きかけ、「古きもの」の殲滅を依頼した。
-政府機関は佐官クラスの自衛隊員(文人)や生物学者(筒鳥)等の少数精鋭部隊を派遣して調査を開始。その結果「古きもの」は「古きもの」同士でつぶし合ってもらうのが一番、と判断し、最強の古きものである「小夜」の心のスキをついて篭絡し、洗脳して計画に参加させた。小夜はこの計画によって「古きもの」だった頃の記憶を消されてしまった。
-唯芳は約定を元に古きものと人間の間を調整する役割だったが、最愛の妻を古きものに殺され、その古きものもいまだ退治されていないため、政府の計画に乗った。
-計画の一環として、廃校になっていた高校を復活させ、そこに小夜、監視役ニセ教師(筒鳥)、監視役ニセ生徒、脇役モブ生徒(クローン人間、洗脳済み)を配置した。しかし、監視役ニセ生徒の中には「古きもの」側のスパイ(優花など)も何名か紛れ込んでおり、計画の転覆を図っている。
-実験での洗脳の最中、小夜は夢の中で「願いをかなえる店」にたどりつく。店主の四月一日に「自分の最も大事なものを対価として、『人間としての恋愛の成就』と『この町からの脱出』」を願う。
-数年に渡る長い治療が終わり、時真が町に帰ってくる。偶然、当時と変わらない姿の小夜を見つけるが、性格が180度変わってしまっているようで声をかけられない。また、町全体の様子がおかしいことに気づき、「無かった」はずの高校に手を尽くして転入する。

(誤認が生じた理由)
-普段の小夜は、コーヒーやギモーブに混ぜられた薬物によって、記憶混濁、時系列把握困難、幻覚・幻聴状態に置かれている。

(小夜と視聴者の共通の視点で認識している「誤った事実」)
-小夜は古きものに襲われている人間を見つける→人間は古きものに襲われて死ぬ→小夜が古きものを倒す→今日も被害者を助けられなかった…。
-コーヒーやギモーブには血が入っており、小夜はこれで血への衝動を抑えている。
-古きものの死体も被害者の死体も見つからない。死体は専用の処理班が片付けている。

(裏で起きていると考えられる「隠された真実」)
-小夜は(自らの写し身を襲っている)古きものを見つけて倒す→本体と同時に写し身も死ぬ。あるいは写し身の人間ごと古きものを倒している。(06話・のの)
-コーヒーやギモーブはあくまで鎮静剤や幻覚剤であって、小夜は血の衝動を抑えきれてはいない。毎回倒した古きものや人間体の血肉を食らっている(異常な回復力もそのせい)が、そのときの記憶はしばらくたつと忘れてしまう。
-古きものの死体も被害者の死体も見つからない。それら死体の大部分は小夜の胃の中に片付いている。残った部分だけは専用の処理班が片付けている。

(これによる各事象の裏の解釈)
-地蔵、蛇花は山中でひっそり暮らしていた。人間は誰一人襲っていない。小夜を襲ったのは、刀を持って自分をいきなり殺しに来た相手に対する正当防衛である。
-化物電車は自分の写し身を食っただけで特に悪いことはしていない。小夜を襲ったのは上記と同様に正当防衛である。
-湖の3人はそれぞれ古きものの写し身(黄色い頭の若い男が怪鳥)。自分を食ってるだけの朱食免の儀式の最中に邪魔が入ったので「話が違う」発言が出た。古きもの同士の共食い場面で小夜が「自らの体を食らうとは」と言っているのは(他の個体を食っているため)流れ的に不自然だが、写し身を食らうことへの伏線になっている。
-市女笠の女は約定を違えて同胞殺しに走る小夜と扇動する唯芳を成敗するために来た。市女笠の女の「これがはらから(同胞)を屠った女か」は、自らの同胞という意味と小夜の同胞という意味の2つを持った言葉。市女笠の女の写し身はOL風女性。OL風女性は自分の本体を殺した小夜を恐れた。あの後にOL風女性は人知れず死んでしまっている。
-ねねは神社で覚醒し、自分が食われることを察知し受け入れた。その後は、小夜を自分たちを狩る存在と認識し、あの場面は小夜を恐れて小夜から逃げている。
-青い大ムカデも小夜・唯芳を倒す目的で現れた。ののは「ねねが古きものに殺されたこと」を怒っているのではなく「小夜が古きもの(=ねね)を殺したこと」に憤って小夜を詰問し、襲った。一般人を巻き添えにしたのは怒りの余り暴走したためで本意ではない。
-鎧武者も小夜・唯芳を倒す目的でやってきた。警官は鎧武者の写し身(約定という秩序を守る側であるという象徴)。
-超多脚蜘蛛は委員長を写し身とする「古きもの」。もともとクラスメートは政府側が何らかの目的(ワナ?)で生贄として「食べてよい」と古きもの側に与えたもの。「これ…全部、あなたが、殺したの…?」との筒鳥のセリフは委員長に向けたもの。本体が死んだので委員長もいずれ人知れず死ぬ運命。

(最終回までの展開)
-小夜はふとしたことから自分の正体が「古きもの」であると知ってしまい、恐怖と混乱の真っ只中に。ただこの時点では完全に記憶を回復していないので半信半疑である。
-政府組織側の計画が完全に「古きもの」側に露見する。古きものによる、組織寄りの人間の大量虐殺発生。「人を守る」という催眠が完全に解けていない小夜はやむを得ず人間側につく。
-戦いの中、時真が小夜をかばって傷つき、今度は本当に死ぬ。死に際に、自分が昔よく遊んでもらった子供であったこと、そのころから今まで小夜に好意を持っていたこと、などを伝える(ここで恋愛の成就)。ショックで過去の記憶をすべて思い出す小夜。怒りのあまり、古きもの、人間の区別なく全員虐殺。その過程で唯芳・文人も死ぬ。筒鳥はなぜかちゃっかり生き残る。
-実験が終わって誰もいなくなった町を出て、一人歩きだす小夜。その手には時真の生首を大事そうに抱えている。小夜の目はうつろで、足取りは不確かだ。そして小夜は歌い始める。「…今日は いい天気…」
-ここで「町を脱出する」ことの成就。対価としての「自分の最も大事なもの」とは四月一日の解釈では「時真」のことだった。
-そして文人の上の政府機関に恨みを晴らすため、劇場版へ…。

(反論の余地)
-こんなんやると視聴者が小夜に感情移入できなくなり、映画版がコケるのでさすがにやらないだろう。
-そこまで緻密な叙述トリックを使うのなら、いくらなんでも序盤から今までもっとマシな伏線やミスディレクションを積み上げ、推理の余地を作っておくだろう。
-こんな叙述トリックを組み込んでもオチがもう一つ面白くない上、パワーのかけどころを間違えていると思われるので、ありえないだろう。

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