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劇場版BLOOD-C感想 の変更点


//劇場版BLOOD-C感想
 ども。サイトの中の人です。本編、6/6に名古屋ミッドランドスクエアシネマにて鑑賞してきました。
 結論から言うと「『最高』では無いものの、劇場版アニメ作品としては悪くは無い作品に仕上がっている」という感じです。特にTV版の12話分をフラストレーションを溜めながら完走した皆さんにはぜひ劇場版を観に行って欲しい。私は観終わった後、一通り「満足」も「納得」もできました。個人的には溜めに溜めた便秘が「どばぁーっ!」と出たようなスッキリ感を味わえました。
 結論から言うと「『最高』では無いものの、劇場版アニメ作品としては悪くは無い作品に仕上がっている」という感じです。最初から最後まで面白かった。お勧めできます。特にTV版の12話分をフラストレーションを溜めながら完走した皆さんにはぜひ劇場版を観に行って欲しい。私は観終わった後、一通り「満足」も「納得」もできました。個人的には溜めに溜めた便秘が「どばぁーっ!」と出たようなスッキリ感を味わえました。
 そもそも私は「ネタバレ上等」の心意気だったので、劇場公開後も2chを始めとするネット情報をずーっと追いかけていたため、ある程度ストーリー展開やオチ、評判の良い部分・悪い部分はわかった上で観に行ったのですが、その状態でもめっちゃ楽しめました。
 以下に鑑賞の感想メモを。ネタバレ多いので未見の方はこれ以上ご覧にならないように…。

(良かったところ)
-序盤の電車内〜ビルの戦闘もテンポ良く緊迫感のある描写に仕上がっていましたし、直後のカーチェイスもCGバリバリでしたが手に汗握る感じで良かったです。前者は「信号律儀に待つなよ」とか後者は「ヘリがいるのになんで車を見失うの」などのツッコミどころはありましたがまあ許容範囲。
-動画はすごくいい。アクションシーンもよく動いてましたし、アップの顔の描写も「瞳」に気合が入っていてすごくきれい。肌の温度や息遣いも感じられるような、引き込まれる絵作りになっています。
-今回の小夜は終始シリアスモードで、TV版の脳みそお花畑状態の描写はありませんが、そこがまた初代に通じるクールさを感じられてよかったかなと。
-サーラットのメンバー含め、出てくるキャラにいいヤツが多くて、最初から最後までキャラに感情移入できる状況で観れたのは大変よかったです。悪役であるはずの文人にも蔵人にも都知事にも最後まで観ると結構悪い印象はなかったという。TV版との大きな違いですね(苦笑)。
-スタッフロールの「動画」に梅津さんと西尾さんの名前があったのが個人的には良かったかなと。なんだろう。なんというかそれ見た瞬間に「ホッとした」感と「なんか得した」感が湧きました。
-音楽はどれも高品質で臨場感あってよかった。ただ若干同じ曲を使いまわしすぎ。もっと曲数が多いとよかったかな。
-橋本愛さんはネットでの評価は『棒』ということでしたが、個人的には(先に情報を仕入れていたせいか)それほどひどくは感じられませんでした。むしろ無垢で擦れていない感じが表現できており「真奈」というキャラに合っていたように思いました。女優さんなのでもう声のお仕事はあまりされないと思いますが、「続けると化けるのでは?」という可能性を感じました。
-文人が死んで小夜が放心状態になるあたりのシーンで、なんだか謎の感動が強烈に湧き上がってきて心を包みました。自分でも不思議。冷静に見れば「お約束」の「大団円」であり特に感動するようなシーンでもなかったんですが、TV版12話にきっちりつきあった上でこのシーンを観ると「ああ、ついに終わったんだな」という感慨を受けるのかもしれません。
TV版は私が生涯に見たアニメの中でもワースト3に入る程度にはひどい作品でしたが、映画版に対する期待値のハードルを下げる意味では「あって良かった」のかもしれません。あとは「溜め」ですかね。格闘ゲームとかで必殺技出す前の「溜め」みたいな感じ?TV版を観て最大級のフラストレーションを感じた上で映画版を観ると、それが一気に解き放たれるのかもしれません。そういう意味ではTV版は総集編ではなく12話6時間分をきっちり観た上で劇場版を観たほうが、より楽しめると思います。
TV版は私が生涯に見たアニメの中でもワースト3に入る程度にはひどい作品でしたが、映画版に対する期待値のハードルを下げる意味では「あって良かった」のかもしれません。あとは「溜め」ですかね。格闘ゲームとかで必殺技出す前の「溜め」みたいな感じ?TV版を観て最大級のフラストレーションを感じた上で映画版を観ると、それが一気に解き放たれるのかもしれません。そういう意味ではTV版は(総集編ではなく12話6時間分を)きっちり観た上で劇場版を観たほうが、より楽しめると思います。

(残念だなと感じたところ)
-おっぱいは描写してもパンツは描かないんかい!と心中で何度もツッコミを入れたくなる部分がいっぱいありました。屍姫並みの鉄壁さ加減です。なんかそういった規制でもあるのかと。
-劇場版のみで独立した作りにはなっていないので、TV版を観てから観に行かないと全く意味がわからない箇所が多数あり。まあこれは予想通りなんですが。
-脚本は及第点ですが、それでも中盤から終盤にかけては若干残念。落としどころはまあアレしかないよな、とは思うのですが、比較的予定調和っぽく淡々と進んでいったので、最後あたりにもう一段の意外性や盛り上がりがあればもっとよかったかな。(バレ見てから観に行った人間が言うのは反則ではありますが。)
-戦闘は最初の講堂のやつが一番よかったというのがなんとも。古きものの造形は全体的にTV版よりずっと良かったのですが、最後のヤツはCG丸出し過ぎでデカ過ぎ。顔もちょっと「かわいい(笑)」と思ってしまった。
-おっぱいは描写してもパンツは描かないんかい!(笑)と心中で何度もツッコミを入れたくなる部分がいっぱいありました。屍姫並みの鉄壁さ加減です。なんかそういった規制でもあるのかと。
-若干心残りなのは、この作品が「小夜が今回の実験に決着をつける物語」でありながら、決して「小夜を主役とした物語」ではなかったこと。この作品を観てつくづく思うのは、これは真奈の物語であり、文人の物語であり、蔵人の物語ではあるものの「小夜」の物語にはなっていない、ということです。小夜は一応ストーリーの軸を担う中心人物ではありますが、内面や過去を細かく描かれることはありません。そのため、なんとなく物語を回すための「道具」「装置」になってしまっている印象を受けます。実にもったいない。
-蛇足ですがなんとなくBLOODシリーズは「(製作者と主役キャラの)男女のすれ違い」を宿命として持ってしまった作品なのかなと思います。初代は男目線で描く「マッチョな女」の物語、+は男目線で描く「悩み続ける女」の物語。そして今回は女目線で描く「男の美学」の物語。想像ですが、初代BLOODを観た女性は「そんなに女はマッチョなままでいられねぇよ」とか、+を観て「そんなに女はうじうじしてばっかじゃねえよ」と思われたのではないかと思います。
今回、男目線で文人を見た場合「そんなに男は『男の美学』に殉じられるもんじゃねぇよ。そんなきれいなもんじゃねぇよ」という違和感みたいなものが頭に残りました。結局のところ、脚本の大川女史の「あぁ、あたしがもし人外のものだったらロマンチックよねぇ。でもって、強大な力を持った超イケメンのオトコにこんなに一途に愛されたいわぁ。そんでもって最後にこんな印象的な死に方されたら超せつないし超心に残るし超素敵だわぁぁぁ」という妄想が具現化されたものが本作なのではないでしょうか?(だからこそ女子受けはいいのかもしれませんが…。このへんは女性の感想が聞きたいところですね。)
-お約束でもいいから「小夜がどこかの街の雑踏の中で長い包みを持ちながらうろついている」っていうシーンをスタッフロール後あたりにつけといてほしかったです。小夜の最終シーンが文人死亡の放心状態で放置ってのはあまりにも不憫すぎて(涙)。一応一瞬髪の毛の映るシーンはあるのですが真奈の空想とも取れるので消化不良…。
-文人の動機はまあ(頭では)わかるんだけど、設定上「超出来るオトコ」なのに、行動があまりにも行き当たりばったりな点が気になりました。「惚れた女の子を長生きさせたいためにエサの量産化をしてみたよ!でもあんまうまくいかなかった上に自分自身も失敗作になっちゃった。どうせ残りわずかの寿命ならせめてその女の子に殺されてその胸の中で死にたいなー。」って、どないやねん!
最初に自分を実験台にするなんてアホなことをせずに、離島とか買い取って、犯罪者とかをいい感じのペースでさらってきて、そこで(たとえ短命な失敗作でも)新鮮な古きものを毎日ちょっとづつ生産して小夜に食わせれば済んだような気がしないでもない。
-お約束でもいいから「小夜がどこかの街の雑踏の中で長い包みを持ちながらうろついている」っていうシーンをスタッフロール後あたりにつけといてほしかったです。小夜の最終シーンが文人死亡の放心状態で放置ってのはあまりにも不憫すぎて(涙)。一応一瞬髪の毛の映るシーンはあるのですが真奈の空想とも取れるので消化不良…。
-蛇足ですがなんとなくBLOODシリーズは「(製作者と主役キャラの)男女のすれ違い」という宿命を背負ってしまった作品なのかなと思います。初代は男目線で描く「マッチョな女」の物語、+は男目線で描く「悩み続ける女」の物語。そして今回は女目線で描く「男の美学」の物語。想像ですが、初代BLOODを観た女性は「そんなに女はマッチョなままでいられねぇよ」とか、+を観て「そんなに女はうじうじしてばっかじゃねえよ」と思われたのではないかと思います。
今回、男目線で(実質的な主役と言える)文人を見た場合「そんなに男は『男の美学』に殉じられるもんじゃねぇよ。そんなきれいなもんじゃねぇよ」という違和感みたいなものが頭に残りました。結局のところ、脚本の大川女史の「あぁ、あたしがもし人外のものだったらロマンチックよねぇ。でもって、強大な力を持った超イケメンのオトコにこんなに一途に愛されたいわぁ。そんでもって最後にこんな印象的な死に方されたら超せつないし超心に残るし超素敵だわぁぁぁ」という妄想が具現化されたものが本作なのではないでしょうか?(だからこそ女子受けはいいのかもしれませんが…。このへんは女性の感想が聞きたいところですね。)

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