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BLOOD-Cとは何だったのか のバックアップ(No.4)


前書き

本編製作者の方々とは比べるべくも無いですが、考察サイト製作を通じて作品に向き合う時間が他の視聴者よりも多少長かった人間として、また、ネットでの動向・評判を継続して見守ってきた人間として、12話が終わった今、総括的な意見を書かせていただきたいと思います。
真剣にこの作品を愛していらっしゃるファンの方(あまりいないとは思いますが…)、および、製作に携わっていらっしゃった方々には恐らく大変不快で不躾な内容を書かせていただくことになると思います。ファンサイトの管理人として、またいいオトナとして「最低な行為」をしていることも自覚しております。あらかじめお詫びさせていただきます。ごめんなさい。(文責:fukuieyume=本サイト管理人)

始まりは「ラスヴァン

Production I.Gが有名になるきっかけになった記念碑的作品『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(2000年)。話の筋立てだけ見ると「無愛想でクソ強い謎の少女が等身大サイズの怪物を制服姿のまま日本刀で斬りまくる」という、身もフタもない感じなのですが、

  • 小夜のキャラクター造形の独自性(萌えを排したタラコ唇の顔(寺田克也デザイン)、英語で会話し、年上のアメリカ人諜報員たちよりも老成しているという男前さ)
  • 終始英語で繰り広げられる会話(日本語字幕が出る)
  • 細部まで綿密に描き込まれたリアルな人物と背景
  • 音響・音楽・色彩設計等による不穏な雰囲気作りの絶妙さ
  • 物語に最後まで一定の緊迫感を持たせ続けた脚本・演出の良さ

などなど、これまでの「いわゆる日本のアニメ」のイメージを良い意味で覆す、洋画ホラー的テイストを大々的に取り入れたのが最大の成功要因と思われます。なおこの作品は海外でも高く評価され、I.Gの名を一挙に世間に知らしめました。また、I.G自体が単独著作権を持つ、初の作品となりました。

ついに始まったTVシリーズ『BLOOD+

実験的すぎて一作で終わると思われていた『BLOOD』がTVシリーズ化されるという話が舞い込んできたのは2005年。しかも放映時間は18:00で全4クールと聞いて誰もが驚きました。あんな「スタイリッシュだけどグロ欝な話」をなんでそんな時間帯にそんな長尺で…?しかもスタッフほぼ総入れ替えだと…?ラスヴァンのファンたちは不安と期待の入り混じった気持ちで放映開始に臨んだことと思います。
そしてそんな多くのファンの期待を背負って始まった『BLOOD+』の第1話アバンはなんと!ベトナム戦争下での狂戦士化した黒小夜の、翼手も人間も区別しない『大・虐・殺★』でした。夜6時に家族と一緒に夕食を食べながら見ていたお子さんたちにはトラウマになったことでしょう。胸が痛みます。I.GとMBSはいったい何を考えてこのシーンを冒頭に持ってきたんでしょう。頭が痛いです。
ただこの瞬間、『ラスヴァン』ファンの期待値はMAXまで上がったことは間違いありません。「俺たちのI.Gはタブーに挑戦してくれる!きっと土6なんていう時間帯でも硬派なストーリー展開をしてくれるに違いない!」と。この期待はほどなく誤りであることがわかるのですが、序盤のインパクトを引きずって最終話までつきあってしまった『ラスヴァン』ファンも当時かなりの数いたのではないでしょうか。

(この項続きます。徐々に更新される予定です。)


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