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HGUC 陸戦型ジム

202 RGM-79[G] 陸戦型ジム  2017年1月21日発売 本体価格1500円

シリーズ:1/144 HGUCシリーズ
 (201 ストライクフリーダムガンダム(REVIVE) ←? → 203 ゼータガンダム(2017版)?)

総合プロポーション関節・可動色分け・合わせ目ギミック武器・付属品

(レビュー投稿日:2017/02/07)

総合 △

OVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」より、1/144では約20年ぶりのキット化となった。

イベントで展示されていた初期試作から頭部やつま先、スネのディテールなどが変更され、製品では若干ながら印象が違う。
キットそのものは組みやすく合わせ目も段落ちやモールドと一体化した処理がされている部分がほとんどで、特にこれと言ったギミックはないが、総合的には近年のHGキットとしては平均的なものと感じる。
だが詳しい点は後述するが、プロポーションの印象が従来と違う点は「好み」の問題であるとしても、分割の不可解さなどスタイリング面で細かい問題点の目立つキット。

プロポーション −

既存のキット(→HG 陸戦型ジム)や作中のイメージに比べて、どちらかと言うとムック本「マスターアーカイブ RGM-79ジム編」に掲載された画稿を意識したようなスマートなものになっており、設定画の頭が大きく、ふくらはぎの太い無骨な体形とは全く違うプロポーション。
当然のことながら過去の陸戦型ガンダム系列機(→陸戦型ガンダム、→ガンダムEz8?)とも異なる体型だが、極端にバランスがおかしいというようなものではなく、単独で見るぶんにはまとまった体型に見える。
ただ、繰り返しになるがこれらの点で特に原作ファンからは大変な不興を買っており、評価スレでも喧々囂々になった事は明記しておく。
全体的に、最近のHGとしてもやや多く感じるほどモールドが目立つのも特徴。

次いで、各部の形状に言及する。
まず頭部はディテールこそ前述のムック本を参考にしているものの、マスク部分の角度が違い、そのせいでかなり下膨れの顔に見えてしまっている。
また、クリアパーツであるゴーグルのダボがかなりはっきり見えてしまうため、それがよりマスク部分の腫れぼったさを強調している部分もあると感じる。
胴体は、それそのものの欠点は特に見当たらないが、胸部ダクトのサイズがかなり大型化しており印象が変わって見える点が気になる。

腕については前腕部の段落ちモールドと後述の手首可動のための切り欠きがやや目立つ以外、全体的なバランス等には目立つ欠点はない。

腰はフロントアーマーが縦長に見える以外は目立った問題はなし。

脚部は大きく印象の異なる部分の一つで、やはり細く感じる以外にも、膝やスネの差異が目立つ。
設定画のかなり反り返ったものとは違い、全体的に通常のジムジム改など他のジムシリーズ機に近づいた、なだらかなラインになっている。
ディテール面では膝のスパイクがかなり短くなっていることが目立つ他、ムック本の画稿だと足の外側にあったディテールが内側に施されているなど、詰めの甘いミスのような点が見受けられる。
足首は試作と比べ形状が変わったものの、設定画や劇中作画、ムック本ともあまり似ておらず、強いて言うなら一部ゲーム(PS3のバトルオペレーションなど)で使われているCGモデルに比較的近い。
ディテール面では通常見えない部分である足裏の肉抜きが大きめな点と、アキレス腱部分に当たるメカパーツを味気なく横断する形で仕込まれた足首関節が難点か。

関節・可動 ○

良く曲がる肘・膝以外は近年のHGキットとして標準クラスの可動であり、特有のものは手首くらい。

頭部はKPS製の首パーツで接続され、ボールジョイントと軸関節で上には40度ほど、下にはボールジョイント分+わずかに可動し、左右に回転可能。

肩はPC-001採用以降では定番となったボールジョイントで胴体と肩を繋ぐ構造。
肩アーマー自体がボールジョイントで前後回転と各方向に動く他、胴体のポリパーツがせり出し前方スイングが可能。

腕は肩の兼ね合いから、肩アーマーから通常のかまぼこ型ポリパーツで腕を吊り下げる、これもまた定番の構造。
KPS関節製のフレームに外装を取り付けるような構造となっており、肩と上腕の接続部でロール、KPS製の二重関節で肘は160度まで可動。

特徴的なのは手首の可動で、腕側のボールジョイントと手首のボールジョイントとの間に受けパーツを噛ませる形のダブルボールジョイントになっている。可動範囲は旧キットに付属するミサイルランチャーなどの肩に担ぐような武器を問題なく担げるくらいはあるが、ビームサーベルを持たせての「突き」は出来ない程度の範囲。
また二重関節のスペース確保のため軸が短いうえにボールジョイント先端を削ってあるので、トリガー周りがまともな100mmマシンガンを手首ごと他キット(→ブルーディスティニー1号機、→陸戦型ガンダム、→ガンダムEz8?)から持ってくる場合には、軸を縮めるなどの加工が必要。

腹部は若干構造が特殊で、腰とのボールジョイント接続のほか、胸部の前側(コクピットブロック内部)にボールジョイントを設定し、そこから延びるリングに腹の軸を繋ぐことで胸〜腹の間が前後に二重関節になっている。
HG AGEジェノアス系腹部関節スタイルを更に推し進めたもので、リヴァイブ版ガンダム同マークII?でも類似の構造が採用されている。
可動範囲はボールジョイント一つの接続や従来の二重タイプよりわずかに広い程度。

腰は胴体とのボールジョイント接続のほか、サイドアーマーがコの字のポリパーツフロントアーマーが一体成型だが切り離せば独立可動するこれもまた定番の構造。

脚部は、股関節がポリパーツで腰側と軸接続されている他、股関節ブロック自体を中央一軸で傾けることが可能。
膝はKPS製の二重関節の他、スネ側をポリパーツで接続した三重関節となっており180度可動。ただ、可動が大きすぎ太ももパーツと膝の裏側が見えてしまうのは大きな減点要素。
足首はポリパーツで関節ブロックをスネと接続し、ブロックのボールジョイントで足首と接続する二重関節で可動。
前後の可動は平均的と言ったところだが、上部が軸接続というのもあり、左右可動はやや狭い。
爪先も足首基部の軸で可動するが、可動位置がやや奥まりすぎているように感じられる。

色分け・合わせ目 ○

もともと色数の少ない機体ゆえ、目立つ色抜けはダクト周りやスラスター内部、足裏、センサー部がほとんど。
胸や脚外側のの逆三角マークはシールの他、モールドが施されており、塗装再現への一定の配慮が見られる。
成型色は安っぽくなく、透け方なども押さえられており良好。本体ベースカラーのベージュ色の再現度はトップクラスに高い。
唯一の問題点が胸のダクトで、なぜかグレー成形のため縁のベージュ色を塗装するにはサーフェイサー必須である。

本体の分割面は先述したように合わせ目の殆どがモールドに沿う、あるいは段落ち処理されているためほどんど目立たない。
完全に露出するのは頭部の端(耳の下)や肩アーマーの内側くらいで、あとは変わった分割をしている前腕部の段落ちが気になる程度。
武器はビームサーベルとシールドを除き、ほぼモナカ分割である。
こちらの色抜けもセンサーがほとんどだが、シールド上側のロールバーはやや目立つ。

ギミック ○

そもそもが一年戦争の連邦軍機ゆえ大掛かりなギミックは存在しないが、陸戦型ガンダム系列機(→陸戦型ガンダム、→ガンダムEz8?)の特徴である脚のビームサーベル収納機構や、腰にマシンガンの予備マガジンを脱着可能な点は再現されている。
ただ、残念なことに旧キットで再現されたコクピットハッチ開閉はオミットされている。

バックパックは所謂「AGP規格」で、BF系のユニットや該当する機体のものが流用可能な反面、過去の陸戦型ガンダム系列機(→陸戦型ガンダム、→ガンダムEz8?)からの流用は利かない。
予備マガジンはマシンガンに装着するものと完全に同じパーツで、交換も可能。
他のギミックは武器側のもののため、武器の項で記述する。

武器・付属品 ○

  • ビームサーベル
    グリップ×2、ビーム刃×2
    サーベルグリップは上下2パーツ構成で脚部に収納でき、ビーム刃を取付可能ないつもの構造。保持も問題ない。
  • 100mmマシンガン
    本体左右+フォアグリップ+銃身+折畳式ストック+マガジンの6パーツ構成。
    手首がサーベルと共用の持ち手しか付属しない都合でトリガーガードが省略されてしまっているが、それ以外に目立つ問題点はない。
    前述のマガジン脱着、交換のほかフォアグリップと折畳式ストックが可動する。
  • ロケット・ランチャー
    本体左右+マガジン2パーツ+グリップ+砲口+砲尾の7パーツ構成。
    ギミックとしてはグリップの可動とマガジンの脱着、さらに腰部後ろのパーツを取り替えることでマウント可能といったもの。
  • ネットガン
    初キット化。本体左右+グリップ+フォアグリップ+砲口部2パーツ+砲尾+センサーの8パーツ構成。
    これのギミックもグリップとフォアグリップの可動程度。
  • シールド
    表面2パーツ+裏面+マウントアーム+腕部用アダプター+バイポッドの6パーツ。
    アダプターとマウントアームが軸可動し、差し替え無しで打突ポジションに移動させられる他、バイポッドを展開し単独で置く、所謂「輝き撃ち」の布石のようなギミックがある。
  • 武器持ち手(左右)、平手(左)
  • ホイルシール




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