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(考察)MGの系譜

※この文章はHTML版MGキット評価表に掲載されていたのものを移植したものです。
 文中の「現在」は2007年〜2011年頃と思われます。(2014年4月25日 Wiki更新者記)

MGの系譜

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フレーム共通、バリエ機を線で結んでいる。7月と12月は目玉キットが投入されることが多い。

95〜98年あたりまでは、年に新作2点+バリエ2点程度のペースだったが、99年頃からリリース数が増加。2000年5月の陸戦型ガンダムからはほぼ毎月1点、年に約10点の発売ペースとなり、現在では毎月の定番商品として完全に定着している。
これはPG ガンダムが98年11月に発売され、当初MGシリーズが掲げていた「究極のガンプラ」(=夏休みと年末商戦期に投入される高価格高級商品路線)のコンセプトがPGシリーズに移ったことによる。

パーツ構成や組みやすさなどキットの全体的なクオリティ、商品仕様、リファインの傾向、参加したスタッフなどから、便宜上以下のように区分けして呼ぶこともある。

第一期

95年のガンダム(Ver.1.0)ザク、96年のゲルググあたりまで
リファイン担当:大河原邦男+MAXファクトリー

黎明期。
「究極のガンプラ」を目指し、ベストプロポーションと広い可動範囲、ディテールアップを追求。
ホビージャパン誌上で商品企画〜開発作業の紹介記事が連載され、読者からの意見投稿や商品化希望アンケートに開発部が答えるなど意見のキャッチボールが丁寧に行なわれていた。
MGはガンプラ誕生15周年の節目の商品だが、これは丁度就職も一段落し、経済的時間的に余裕のできたガンプラブーム・MSV世代の出戻り需要に向けた企画である。そこでスタッフには大御所大河原邦男、MSV期に人気を博したモデラー集団「ストリームベース」出身のバンダイ開発部(当時)川口克巳、MSV後期以降キャラクターモデル製作の第一人者であったモデラーMAX渡辺が起用された。

キットは現在の目からすれば「モデラーによって徹底改修された1/100キット」の延長程度でしかなく、マスプロダクト製品としての圧倒的なクオリティの高さはまだ見られない。
だが懐古的なリファインも相まって、企画、製品ともに手づくりの暖かみを感じさせる時期である。

第二期

96年のZガンダムから、GP01GP02Mk-II、99年のNT-1アレックスジムカスタムジムクゥエルあたりまで
リファイン担当:カトキハジメ

模索期。
カトキハジメが参加し、変形、換装、整合性のあるリファインによるバリエ展開など、ベストプロポーションと可動範囲の他にMGならではの「売り」を確立すべく様々な課題に挑戦していった。
その成果は三期以降、現在では当然のものとしてシリーズに取り入れられている。その中で本来一軸で済む可動部にわざわざボールジョイントを導入し、可動範囲の向上を企図してみたりもした。

「逆襲のシャア」が公開終了しガンプラ全体が低迷期に入った80年代後半〜MG発足直前の90年代前半、モデルグラフィックス誌「ガンダム・センチネル」以来のカトキファンは一大購買層を形成していた。
カトキの参加は第一期では対象とならなかったこの層を狙ったもので、PGシリーズ発足以前ということもあり、特に前半のZガンダムGP01Ver.Ka的アレンジを前面に出したリファインとなっている。
後半のMk-IINT-1アレックスジムカスタムジムクゥエルでは一転控えめなアレンジとなり、Ver.Kaファン的には物足りない一方、第三期に繋がる路線を開拓した。

第三期

99年のドムZZ陸戦型ガンダムあたりから、03年のEx-Sズゴックゴッグ、04年のリックディアスハイザックボール、05年のアッガイあたりまで
リファイン担当:カトキハジメ

成熟期。
PG発足後の定番化した商品シリーズとして、カトキによる原作重視リファイン路線が完全に確立。可動部やギミックの堅実化、キットとしての「売り」の位置付けと商品仕様の明確化、内部フレームやディテールの成熟、パーツの合わせ目隠しや後ハメ化への配慮が進む。
この頃には工業製品としてのトータルなクオリティが手作業によるスクラッチ作品ではほとんど追いつけない域に到達、キットも概ね肯定的な評価を得るようになる。
03〜05年にはスケールモデル的な作り込み重視のキャラクターモデルとして一つのピークを迎えた。

カラバリ、バリエキットの間に年数点の新作を挟みつつ、夏休みと年末に目玉の大作キットを投入する、という年10点程度のリリース体制も確立した。この頃にはHJ誌上での意見交換も行なわれなくなり、リリース予定の新製品を紹介する記事に吸収された。
一期、二期のようなクセのあるリファインに月刊誌上で読者の意見を求めていたのでは、現在のような月イチリリースでの商品化は不可能だったろう。
ズゴック以降、派手なギミックのないシンプルな商品構成に充実した内部ディテールを施したキットが続いたため、これらのスケールモデル的路線を第三期とは別に四期(以降繰り下げ)として区分けする見方もある。

第四期

01〜02年のGガンダムシリーズ(ゴッドガンダムマスターガンダムシャイニングガンダムガンダムシュピーゲル)、03年のストライク、05年のMk-II Ver.2.0あたりから06年のストフリFB、現在まで
リファイン担当:ビークラフト他

アクショントイ路線への転換。片ヒザ立ちの標準化など多彩なポーズ付けが可能な柔軟な関節可動と、スタンドやエフェクトパーツによる高付加価値化が特徴。
「ビークラフト体型」「スタンドにエフェクトパーツで種ポーズ」と揶揄される画一的なアレンジには不満の声も。

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