1/144 HGシリーズ (初代)
概要
キットは1990.3〜1991.7月に発売。
ガンプラ10周年記念として1990年にガンダム、Z、MK-II、翌91年にZZをリリースした、 ガンプラ史上初のリメイクシリーズ。
それまでバンダイが蓄積してきた技術やノウハウが贅沢に投入され、後のMG、PGへと繋がる高品質化路線の走りとなった。
システムインジェクションや多色成形に代表される新しい金型成形技術、模型商品化を前提としたデザインリファイン、可動ギミックや変形など、それぞれのキットを特徴付ける「売り」の明確化、詳細な機体解説や関連設定が収録された豪華な説明書、それまでの同社のプラモデルとは一線を画した黒いパッケージ等々、現在ではすっかりお馴染みとなっている商品フォーマットの数々はこのシリーズによって確立されている。
単にリメイクというだけでなく、それらの新技術や様々な仕様を意欲的に採用していく 実験作的な側面もあり、その意味でも初期のMGや現在のPGと同じライン上にある商品シリーズであると言うことができる。
また当時はガンプラをはじめとしたロボットもののプラモデル市場が低迷しており、このシリーズには、RX-78の新作キットをリリースすることで市場の活性化をはかる起爆剤とする、あるいは旧キットと競合しない豪華な仕様を方便に、ドル箱だったRX-78の新作キットのリリースを実現する、といった側面もあったようだ。
総合評価の○×はあくまでキット発売時点を基準とした評価であるので購入時には注意。
参照:評価基準(HGUC)
No. | 形式番号 | 機体名称 | 総合 | 発売年月 | 税抜価格 |
01 | RX-78 | ガンダム | △(絶版) | 1990.03 | 1000円 |
02 | MSZ-006 | Zガンダム | × | 1990.05 | 1200円 |
03 | RX-178 | ガンダムMK-II | △ | 1990.07 | 1000円 |
04 | MSZ-010 | ZZガンダム | ○ | 1991.07 | 1500円 |
プロポーション
単にアニメ設定画を再現するに留まらず、模型化を前提としたデザインのリファインが行なわれたのもガンプラ史上初。
大河原邦男によるリファインは、パネルライン等のディテールやマーキング類の追加に重点が置かれている。
関節
MSジョイントと呼ばれる関節機構や専用ポリキャップなど、それぞれのキットに特化した関節機構を採用している。
色分け
多色成形(カラーインサート)という技術により、主要な部分は1パーツ別色成形で色分けされている。だが細部まではフォローしきれていない。
画期的な新技術ではあったがあまりシャープな成形状態とはなっておらず、色分けの境界やエッジをキッチリ仕上げようとすると意外に難物だった。
だが色ごとに複数の樹脂層が一体となった成形のためパーツの肉厚は厚く、削り込み工作には重宝した。
バンダイにとっても実験的な技術だったのか、第1弾でかつ生産数の多いHGガンダムは特に金型の損耗が激しく、2001年3月にはスタンダードなガンプラシリーズとしては初の絶版となっている。
付属品
説明書にはセンチネルを意識した機体解説やカトキハジメによるイラスト、キットの作例記事が収録されている。
開田裕治によるボックスアートは現在の目で見ても誇張抜きでカッコいい。
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