HGFA トールギスIII
02 OZ-00MS2B トールギスIII 1998年4月発売 840円 (本体800円)
総合△
シリーズ:1/144 HGFA ガンダムW(EW)シリーズ (01 ウイングガンダムゼロカスタム ← → 03 ガンダムヘビーアームズカスタム)
総評
EWに登場した機体ということでHGFAシリーズにラインナップされてはいるが、実際にはTVシリーズのトールギスIIのキットにIII用のパーツを追加した、I、II、IIIのコンパチキット。そのためシリーズの中でこのキットだけはポリキャップにPC-110を使用している。
従来のものとは別に、腹部を可動式とした新設計の胴体が付属しており、首と腰のポリキャップを共用する選択式なので完成後に交換することはできない(両方とも完成させたいなら同様のポリキャップが余るハイドラガンダムやガンダムグリープから流用するとよい)。それ以外に本体の変更点はなし。
シールドやヒートロッドのつくりが安っぽい点、新規ランナーも含めた全パーツが白の単色成型である点、もともと構造に難があるバックパックやヒザの関節がまったく改修されていない点が大きな問題である。IIとの差額を300円に抑えたとはいえ、もう少し何とかならなかったのだろうか。
ディテールなどは悪くなく、普通に立たせておくだけなら十分なものだが、発売時期より3年前のキットがベースであるため、他のラインナップの出来に比べると見劣りするのは否めない。
ちなみに説明書ではI、IIとして組み立てる場合は従来の胴体を使うよう指示されているが、III用の胴体を使うのがおすすめ。
プロポーション
新規の胴体は基本的に従来のものと同じデザインだが、若干エッジが立っているのと、コの字形のパイプが胸部側についており、可動する腹部との干渉を避けるため短い。逆にその腹部は胸部を傾けた際に隙間ができないようにするため長くなった。要するに従来の胴体に比べて胴長のため、流用パーツである手足の細長さが少しだけ目立ちにくくなったのが地味にありがたい。スネが改修され長くなったという情報もあり、ガンダムに比べ大きめの機体という設定が再現されている。
一方で、ヒートロッドの貧弱さはかなり気になる。ガンダムエピオンのものと交換したほうがいいかもしれない。
それ以外の部分はトールギスを参照。
関節
新規の胴体は胸部と腹部の間に関節が仕込まれた、当時としては非常に画期的な構造。これによりファイティングアクションとして、ボックスアートのような派手なひねり可動が可能になっている。この構造が1/144スケールで標準採用となるのは、2008年から展開され、ポリキャップの使い方が根本的に見直されたガンダム00二期のキット群である。
肩アーマーとメガキャノンとの接続部はドーバーガンのそれよりも丈夫なパーツが使われ、ポリキャップで接続されるものの、真下に向けられないのは相変わらず(メガキャノン自体が最大出力モード固定なので長さからして無理だが)。
それ以外の部分はトールギスを参照。
色分け
IIIに合わせて成型色は白一色、ポリパーツも真っ白。
シールは頭部と胸、シールドの一部しかフォローしないため、他のキットに比べて色分けはかなり悪い。
塗装そのものは楽とはいえ、HGのブランドを冠している以上、せめてIII用の新規パーツ(特にメガキャノン)くらいは成型段階である程度色分けしてほしかったところ。
また、IやIIとして完成させる場合、露出するポリパーツをグレーで塗装する必要がある。
シールはIII用のもの以外はサークルシールドの鷲マークのみ付属。この鷲マークはIのキットに付属したものと異なり、周囲の白と一体でなく、色も黄色から金色に変更されている。
武器・付属品
- メガキャノン
最大出力モードで固定式であり、通常形態にはできない。よってトールギスIII本体に接続したままだと飾るスペースをかなり占有する。 - シールド+ヒートロッド
ヒートロッドは展開、収納状態ともに1パーツ構成のため薄すぎるうえ、展開状態のものは途中の節でまったく動かせない。1/144のエピオンは可動できていただけに、このあたりはいただけない。 - ビームサーベル
白の単色成型。設定では上記のとおりシールド裏に2本装備しているが、キットに付属する使用状態のサーベルは1本のみ。 - トールギスI、II用の頭部
- ドーバーガン
銃身の伸縮ギミックは省略。 - サークルシールド
左肩アーマーにマウント、はずして手に持たせることも可能。
トールギスIIとして完成させる場合、彫刻されている鷲マークをパテで埋めるかプラ板で覆う必要がある。
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